「麻」にはさまざまなことわざがある！

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衣類や生活用品などさまざまなものに使用されている麻には、さまざまなことわざがあることをご存知ですか？麻は、古代から世界的に利用されてきた植物です。特に日本では、縄文時代に関わる遺跡から麻素材の縄や布が発見されており、日本の歴史と深い関わりがある素材として知られています。麻は、機能性の高さから和装にも麻織物が使用されていました。時代とともに麻の使い方も変化していき、今もなお衣類に使用され続ける素材として知られています。そんな日本の歴史に影響している麻を使ったことわざの意味や使い方をご紹介します。併せて四文熟語も解説しますので、それぞれチェックしていきましょう。

ことわざ1：麻の中の蓬（あさのなかのよもぎ）

麻の中の蓬（あさのなかのよもぎ）とは、「善良な人と交われば、自ずと感化を受けて良くなる」という意味を持つことわざです。誰しも人は、環境によって左右されることを表しており、良い環境であれば善が生ずると表現されています。このことわざには、麻と蓬（よもぎ）の2種類の植物が使われています。真っ直ぐと伸びる麻に対して、蓬は曲がって伸びていきます。そのことから麻の中で蓬が成長することで、曲がりやすい蓬も真っ直ぐと育つだろうというたとえです。教育や社会など、さまざまな場面で活用されることわざです。

ことわざ2：麻の如し（あさのごとし）

続く麻の如し（あさのごとし）ということわざは、麻糸がもつれ乱れている様を表している言葉です。主に世の中や環境、人の心などに対して使用される言葉であり、混乱状態を表現しています。宮崎駿監督映画「もののけ姫」でも登場するキャラクターが使用しており、戦国の世を表す言葉としても使うことができます。

ことわざ3：快刀乱麻を断つ（かいとうらんまをたつ）

麻の如し（あさのごとし）ということわざには、快刀乱麻を断つ（かいとうらんまをたつ）という対義することわざがあります。このことわざは、麻糸のようにもつれてしまった事柄をもののみごとに処理してしまうたとえを表しています。麻糸は、一度絡まってしまうとなかなか解くことができません。しかし麻糸のように解決が難しい事柄も適切な人物やアイディアによってことがうまく進むこともあります。企業や人間関係などに使用できる言葉と言えるでしょう。

ことわざ4：麻殻（あさがら）に目鼻をつけたよう

最後に麻殻（あさがら）に目鼻をつけたようということわざの意味も確認していきましょう。このことわざは、痩せた男性の容姿をたとえた言葉です。麻殻は、周りの皮を剥いだ茎のことを表現しており、別名「おがら」とも言われています。麻殻は、非常に脆くて白く細いことから、ひょろっと背が伸びた男性をイメージさせます。　細い麻殻に顔のパーツである目や鼻をつけただけという意味合いから、このことわざが生まれたとされています。

「麻」を使った四文熟語もチェック！

麻には、ことわざのほかに四文字熟語もあります。「快刀乱麻（かいとうらんま）」や「麻中之蓬（まちゅうのよもぎ）」は、先ほどご紹介したことわざを4文字で表した四文字熟語です。その他にも、物や人が入り混じる様を表す「稲麻竹葦（とうまちくい）」や思い通りに事が進むこと（痒いところに手が届く）を意味する麻姑掻痒（まこそうよう）などという言葉もあります。麻の特徴を活かした言葉から一種の事例を含む言葉まで、さまざまな使い方で取り入れられています。

麻を使ったことわざを知って日本との結び付きを理解しよう

いかがでしたか？ことわざは、平安時代ごろから記録されていたことがわかっており、平安時代よりも前から使用されていた可能性があるとも言われています。麻は、歴史の深いことわざにも使用されているため、日本との結びつきが深いことがわかります。そのように古くから日本の分化と関係してきている麻について、ぜひ歴史的な観点からも学んでみてはいかがでしょうか。