調味料に使用される麻の実の大麻との関連性について

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日本の伝統的辛味調味料といえば七味唐辛子ですが、その中に麻の実が入っているのをみなさんご存知でしょうか？七味唐辛子には唐辛子、山椒、黒ゴマと一緒に麻の実も入っており、麻の実の香ばしい風味と、カリッとした食感が、ピリ辛の七味唐辛子に良いアクセントを与えています。ですがこの麻の実、実は大麻の実ではないかと巷で噂されています。「大麻」という言葉から、危険なものなのではないか？などというイメージを持たれる方も多いかと思いますが、果たして本当に大麻の実が使われているのでしょうか？真相を究明するべく、今回は調味料として使われる麻の実と大麻との関連性について詳しく解説していきます。七味唐辛子や麻の実についてもっと詳しく知りたい方は、最後までぜひお付き合いくださいね！

七味唐辛子の麻の実は大麻の種？

古来、麻とは「大麻」のことだけを指す言葉でしたが、現在ではジュートやリネンなど、様々な種類の麻の総称として使われています。麻の実とはこれら麻の種の部分になりますが、七味唐辛子に使用されている麻の実は噂の通り、大麻の種の部分になります。大麻の種と知らされて、衝撃的に思われるかもしれませんが、幻覚などを引き起こす成分が含まれているのは大麻の葉っぱや花の部分であり、種の部分には含まれていません。また、同じ大麻でも産業用、食用で使われるものと医療用で使われるものとは品種が違い、食用で使われている大麻は陶酔成分がほとんど含まれていないものになります。

麻の実の食品としての安全性

七味唐辛子に含まれている麻の実は、そのほとんどが食用として使用できるように改良された品種の大麻の種を利用して作られたものです。産業用、食用の大麻には基準があり、大麻に含まれる陶酔成分「THC（テトラヒドロカンナビノール）」が0.2%以下の物しか使用できない決まりになっています。大麻に含まれるTHCの含有率が0.3%以下だと摂取しても陶酔作用はない、とされており、この点から見ても食用の大麻から採れる種=麻の実が、食品として安全性が高いことがわかります。

麻の実に含まれる栄養素とは

古来よりヨーロッパや中国などで食料として利用されてきた麻の実の栄養分はかなり豊富です。麻の実には鉄分、ビタミン、食物繊維やたんぱく質が多く含まれており、特にたんぱく質は牛肉や魚、卵よりも多いことで有名です。また、良質な食物繊維は便秘解消に効果があり、漢方便秘薬の原料としても重宝されています。

麻の実から作られるその他の製品

麻の実はそのまま炒って食用とされるほかに、色々な製品の原料としても利用されています。麻の実から作られる製品にはどのようなものがあるのか、いくつがご紹介します。

食用油

麻の実を絞ると栄養豊富で上質な油を抽出することができます。「ヘンプオイル」と呼ばれるこの油は必須脂肪酸80%でできており、この含有率は全ての植物油においてナンバー1です。また。ヘンプオイルはガンマ・リノレン酸を含む唯一の天然食用油としても最近注目を集めています。

石鹸

ヘンプオイルを利用した石鹸が乾燥した肌に潤いを与えてくれる、と最近話題になっています。少々値は張りますが、必須脂肪酸を80%も含むヘンプオイルを使用した石鹸は肌にも優しい、と利用者から好評です。きめ細かく、もっちりとした感触の泡が身も心も癒してくれる、唯一無二の石鹸になります。

古来より伝わるサステイナブルな食材、麻の実

悪環境においても持続的に収穫することが可能な農産物として、古来より麻は人々に重宝されてきました。SDGs活動が活発な昨今、そんな麻から収穫できる麻の実もまた、持続的な大量生産が可能な食物として世界中から再注目されています。二酸化炭素を大量に吸収しつつ、土壌をも改良する麻から採れた、栄養満点の麻の実を積極的に食すことは、私達の体にも、また地球環境にも良いことであるといえます。古来より伝わるサステイナブルな食材、麻の実を有効に利用し、私達の健康と、地球の健康を改善していきましょう！